「いきなり楼閣小話」



京が庵のいない二階の部屋にいると、禿のクーラが「ああ、やっぱりここにいた」とやってきた。

用向きは、楼主の紅丸に言われて「京の髪を櫛で漉いて、綺麗に整えてあげる」ということだった。

一度は断ったが、張り切っているクーラが聞くわけもなく、仕方なく京は、クーラの好きにさせた。

渋々窓枠に腰掛け、下の通りを眺め見る京の髪に、クーラが慣れた手つきで櫛を通す。

「京の髪、とっても綺麗。舞姐さんの髪に負けないぐらい艶やか。だから毎日きちんと櫛で漉こうよ」

「そうかい? ありがとよ。でもおれは女じゃないからさ、そんなことしなくてもべつに手ぐしでいいって」

「庵に「綺麗だな」って言われたんでしょ?」

「?!」

「京がけっこう嬉しがってたって、ケーダッシュが言ってたよ?」

「…! あああ、あんのやろう…聞いてやがったのかあああッ。しかもクーラにばらしやがって」

「…あ、言っちゃった。わーん、京ぉ、ケーダッシュを怒らないでー」

「今日という今日は、ぐーで殴るぜ、おれは! ケーダッシュ! あいつ、今どこにいんだよ!」

クーラの懇願を無視して、京は顔を赤くしたまま部屋を飛び出した。

このあと、下の階は、京という名の小台風が吹き荒れるのである。



☆状況説明不足過ぎとは思いつつ、時々、こんな程度の文を載せていけたらな、と思ってます。
ケーダッシュは<油さし>というお役目があって、客のいる各部屋を回って、行灯に油を継ぎ足しながら、
お女郎さんが逃亡しないか見張っているので、そうなると客とお女郎さんの濡れ場を見聞きしてしまう
ことはままあるわけで…。庵と京のムフフも聞いちゃったんだね。黙っとけなかったんだね、ってことで。
今度すこしづつ、人物紹介もいれていこうかしら。








    ● おはなし・その1 ●

     「紅華楼夢想奇譚(WEB版)

       
   (申し訳ありませんが、六以降の執筆は停止しています)

和風テイストな庵京ラブはお好きですか?
ここからは庵京和風ラブな世界となります。
ネスツとかキング・オブ・ファイターズとか
から程遠い、ただただ庵達に着物きせたり
刀持たせたりしたいだけの、<庵京で和萌え>
な管理人の妄想発散場所(和ネタ限定)です
ので、ご注意ください。

庵が凄腕の流浪人だったり、京が遊郭に身を
置く男娼だったりなお話が置いてあったり…。.

◆庵や京は刀や着物も似合うと思う

◆庵や京が着物の襟や裾からチラリと肌を
 覗かせてる姿を想像するだけでアドレナリン
 がでそうになる

◆ズバリ! 庵京で和風ネタ、ラブ!!

  ―という方向けなところにございます。


 ※ただし、先に謝っときます。
 物語の途中でストップしております…。
 



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◆◆◆ ここでのおもな登場(予定)人物 ◆◆◆


八神庵
……異形の力を身に潜ませる流浪人。剣術の腕前はピカ一。
京のピンチを救ったのが縁で、紅華楼に出入りするようになる。
無愛想・無関心・冷血男と見られがちだが、京が絡むと熱い(笑)。

…紅華楼の色子。もとは対岸の岡場所にいたが、虚ろな状態にあった
ところを紅月楼の楼主・紅丸に拾われた。過去の記憶がない。
紅華楼に来てからはひとまず生きる気力を取り戻し、元気いっぱい。

弐階堂紅丸
…紅華楼の美貌の楼主。見た目は優男風だが、いざと
なると動作は機敏で強い。

クーラ
…舞に付いている禿。純真無垢。屈託なく皆の本心を突く
ことが度々ある。なかなか侮れない小娘。

ケーダッシュ
…紅華楼の<油さし>をやっている少年。口数少なく、
あまり人を寄せつけたがらない傾向がある為、とっつきにくいが、
心根は優しい。
京のことが気になっているが、どうしてか素直になれない。

ちずる
…神楽神社の妹巫女。お転婆。純情で心優しき少女。異形の神に
呪われているらしい夜神のことが気になって、色街までやってくる。

あや
…盲目だが、神通力に秀でた、ちずるの姉巫女。年に似合わぬ冷静
さをもつ、たおやかな少女。
無鉄砲なところのあるちずるを心配して、一緒についてくることに。