‖  First snow  ‖



しんしんと染み入るような冷たさのある夜。

一緒になって眺めていた深夜番組が終わった後はベッドの上、どちらからともなく

互いの熱を分け合うようにキスを交わし肌を合わせた。

そうしてからどのぐらい経った頃だろう―。

「あれ?」

「どうした?」

突然、抱き寄せるようにその体に回していた自分の腕から京が抜け出したのを怪訝に思い、

庵も京の後ろ姿を追うように上半身をムクリと起こす。

京はというと手近にあった庵のシャツを羽織って窓辺に寄り、窓ガラスに手と額をついて

外を熱心に覗き込んでいた。

「なにかいるのか?」

「見てみろよ庵。どうりで冷えてきたと思ったら雪だ」

「ほう。初雪か」

「けっこう積もってきてるぜ。よしよし、明日は紅丸達呼び出して雪合戦でもするかな」

「雪を見るなり元気になるとは幾つだ、貴様。さっきまで寒いだ冷たいだとわめいてたクセに」
                                                                    
ベッドサイドの照明スィッチに触れて明かりを点けながら、庵は苦笑まじりに嘆息してみせた。

と、京は拗ねるコトなくそんな庵に向き直って強気にニッと笑い返す。

「いくつになっても楽しーんだよ、雪合戦は。ワクワクするぜぇ?あ、当然オマエも参加な」

「・・・・・・・・・・・・」

「な! 庵」

にこやかに京が念押しする。どうしても付き合わせたいらしい。

「・・・・・・・・・嫌だと言ったらどうなる?」

そう思い、庵が正直に口にしてみれば

「二週間抱かせてやらねーの刑に処す」

と満面の笑みで即刻宣告されてしまった。

「・・・・・・・・・・・そうきたか」

庵は窓の外にトホホな視線を投げながら、むぅ、と考え込む仕種になる。ここで「勝手にしろ」と

突き放しそうでしないのがこいつのカワイイところだ、などと内心京は吹き出していたりするのだが―。

「どうする、庵?」

機嫌のいい京の声音。

結局、庵はその声と期待に満ちた視線に負けてやっと付き合う気になったらしい。

いやその前に『抱かせない』という言葉の効果が絶大だったのかもしれないが。

「わかった。その雪合戦の楽しさとやらをおしえてもらうことにしよう」

「おーしっ、決まりだな!そういうコトならまかせとけ」

「ああ、まかせた。まかせたからそろそろベッドに戻ってこい、京」


そう言って庵は自分の身に掛けていたブランケットを持ち上げ、京にそばへ戻るようにと促す。

「せっかく暖まったところだったのに。こうなったからにはもう一度付き合ってもらわないとな」

「うん?んー…いいけど。でもよ」

「でも?」

雪の気配についベッドを下りたはいいが、また肌を冷やしてしまったのは京も同じ。

そそくさと素直に庵の傍らに、ブランケットに潜り込むと庵の肌に身を寄せる。

そして言葉の続き。

「雪合戦の前だから腰砕けになるようなのはカンベンな」

「ホメ言葉か?」

「燃やすぞ、オラ」

「してみせろ」

クッと庵の口元が笑いに歪んだ。


やんわりと再び腰と背中に回された腕に抱き込まれながら、京は喉元に押し当てられた庵の

唇が首筋・顎を辿りながら己の唇に重ねられる瞬間を心待ちにする。



初雪の舞った夜ふけ。

2人がすっぽりと被ったブランケットの中からは、時折ひそやかな笑いと熱のこもった吐息が洩れて―。





LOVE ENDLESS……



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2001年冬。サイトTOP用SS。
京は翌日、敵陣の大将になった庵によって背中に雪玉
突っ込まれた上、さらに背後から抱き締めの刑にあうんだよ。

ラブラブッス。